8 資材購買業務の流れ

イグレン 加藤 文男

注文書発行から製造部門への原材料の支給までの流れ

 さてここで原材料や部品の資材購買で毎日行なわれる定例的な業務の流れを見てみます。業務の呼び方や使用される書類の名称は、企業によって異なることもありますが基本的な流れは同じです。あなたの会社の資材購買部門のそれぞれの担当者の仕事内容と比較検討してみるとよいでしょう。

 まず注文書を作成し、購入先に伝達送付されます。送付の手段は郵送からEメールなど色々ありますが、最近は通信手段も進み、メールで送付されることが多くなっています。納期が来れば、納入される原材料を受領・検収します。検収後は、必要に応じて受け入れ検査が行なわれ、合格すれば入庫処理されます。入庫した原材料は、出庫の時まで適正に在庫として管理します。出庫の時が来れば、必要な数量を数えて、準備し、指定された時刻に出庫先に渡すことで終了します。

 本来注文書を発行するまでの過程で複数の取引業者から見積書を入手し、それを評価し、適切な取引先と購入価格を決定するという重要な機能があります。取引先と価格を決定し、注文書を発行するまでの業務を契約担当と呼ぶ企業もあります。発行された注文書に従って取引先の生産工程や生産状況を把握し、納期までに入手する業務を調達担当と役割を分ける企業もあります。更に入手した原材料を検収し、入庫処理し、在庫管理を行い、予定された使用する日に出庫する業務を材料管理担当という企業もあります。

 資材購買の基本業務は、このように価格の決定など難しい交渉を必要とする業務と指示された業務や決められた業務をその通りに実施する比較的簡単な業務が混在しています。設計担当者が注文する原材料の名称や納期など条件のほとんどを決めてしまい、資材購買担当は納期を確認し、必要に応じて督促し、納期に受領し、在庫管理をする機能を持つ会社もあります。このように企業の歴史や伝統により、また、企業の規模により、業務内容に多少の違いはありますが、製造業においては、日常、毎日のように資材購買業務が繰返し行なわれています。

 製品を毎日大量に製造する工場では、資材購買する原材料の種類や数量が大きいために契約担当、調達担当、材料管理担当と係や課の組織として責任者を置いてそれぞれの業務を処理します。中規模の企業では、契約担当と調達担当を同じ担当者または、同じ課や係の少人数で行なう場合もあります。小規模の工場では、これらの三つすべての業務を一人、又は、少人数にて行なう企業もあります。

 資材購買の基本的な手順は、次のようになります。
 ① 複数の取引先から見積書を入手する
 ② 見積価格の検討評価
 ③ 購入先の決定
 ④ 注文書の作成・送付
 ⑤ 納期管理
 ⑥ 検収・受入れ検査
 ⑦ 入庫処理
 ⑧ 在庫管理
 ⑨ 出庫処理

 上記のような繰り返し行なわれる業務とは別に多くの企業においては、新製品開発のために新技術や新しい工法、新しい取引先など常に情報を収集し、必要に応じていつでも提供できる体制を持っています。これらの情報収集活動を行なう開発購買業務は、資材購買部門の中に配置する場合もありますが希に開発設計部門に含む場合があります。

掲載日:2015/06/02