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アルメニア共和国の中小企業振興支援

〜アルメニア市民を観察して〜

質素だが清潔で生き生きした生活
 アルメニアの人口は330万人ほどであるが、海外への出稼ぎ(ディアスポラ)が人口の2倍以上いてこれらの人たちがアルメニアにせっせと送金している。市内中央の広場もディアスポラの寄付金で作られ、修理保全されているという。国内での収入の良い就職口が少ないために外国語、特に英語を学び海外へ出稼ぎに出る。出稼ぎ先は、旧ソ連邦を初めとして、欧州、米国まである。出稼ぎはエレバンなど都会からの流出が多い。流出した労働を補う形で農村から若い人が首都エレバンへと出てくる。
 当地の生活レベルは月$300程度かかるらしい。公務員の給与は約$100なのでいくつか職業を持たないと普通の生活を維持することはできない。旧ソ連時代は、水道や電気は無料であった。現在は、水道は月100円、電気も$10程度とられるようである。
 従って、ディアスポラからの仕送りのない人は、ひとつの就職口では生活できないため正規の働き口のほかに別の仕事が必要になる。しかし、町の中で見かける人たちだけでなく、地方へ出かけたときに見た農村地帯を歩く農家の人たちの身なりはしっかりしている。結構華やかなデザインのものを着ている。質素であるが清潔感がある。彼らの顔や姿には貧しさなど微塵も感じられない。東南アジアや中近東で見る貧しいと思われる人たちはたいてい身なりも粗末で薄汚く、清潔感は余り感じられない。それに比較すると清潔感はたいへん異なる。この辺は精神文化の違いかもしれない。
 国民がその地方で安定した生活を営むためには、適切な所得を得て、結婚して、子供を生み、育て、製革できる環境条件が必要になる。アルメニアの人たちの顔ツヤや生活の仕方を垣間見ると貧しいという感覚はなく精神的に充実している感じがする。裕福ではないが、身なりや心まで乱れたり、崩すことはないきっちりした精神文化を維持している。
 町の中を歩いている人たちも、みんな生き生きとして生活している。日本における朝の通勤電車の中に見られるような仕事や生活に疲れた感じの人たちとは大きな違いが感じられる。
 ノアの箱舟の時代からの数千年の長い歴史があり、西暦301年に国教をキリスト教と制定した歴史などが精神文化を支えているのかもしれない。
市内の交通機関と料金(ドラムと円の換算:約4〜5ドラム/円)
市営バス 100ドラム 小型乗合バス 前面に行き先表示と番号
地下鉄 50ドラム
トロリーバス 50ドラム
小型の乗合バス ギュムリへ  1200ドラム(片道2時間くらいの距離)
外国人のアルメニアでの生活費
 外国人用のアパートメントは、US$1000〜1200/月で借用できるという。我々が滞在したこのホテル(アルメニアマリオット)は長期滞在を契約すると$90/日になる。通常の滞在ホテル代は、$105/日であるから長期契約しても余り安くはならない。これもただ宿泊するだけ。食事は外へ出てレストランでしなければならない。ホテル暮らしで安全は確保できるが生活の自由度は小さく、不便さがある。
 日常の生活を考慮すると少しでも生活の自由度は大きくする意味で調理する設備がほしい。このホテルでは調理できないので不便であり、下着までランドリーしてくれるが長期間の滞在には向かない。アパートを借りた場合、お手伝いさんは、月に$100程度で可能である。(公務員の給与と同じ?)
 参考までにホテルのランドリー価格表を記しておく。
スーツ 4200ドラム(ドライ)
Yシャツ ・ブラウス 1200(ドライは1500ドラム)
ジャケット 2000
ズボン 1200
セーター 1500
下着 500
ハンカチーフ 250
パジャマ 1300
ホテルからの電話代金
欧州、USA、日本国際電話 US$3.60/分
ロシア、CIS US$1.60/分
アルメニア国内 US$0.28/分
エレバン市内 US$0.14/分
バザー視察
 エレバン市内のバザーでの商品を観察してみた。サンダルやスリッパはトルコ製である。中国の衣料品は多数入っている。中国製品に対するアルメニア人の評価は高くはない。安物と見ている。上海ショップ(中国製品の店)は入り口に高級中国製とうたっているがアルメニア人は余り信用していないという。携帯電話の着せ替えカバーも、携帯電話のチャージャーも中国製である。
市内のバザーの価格(参考)
ブランド(にせもの)時計 4000ドラム
綿棒 100本入り 450〜750ドラム
小さいタオル 550ドラム
森の中のレストラン
 静かな森の中に屋外のレストランがある。そのひとつが「12 Chair」(12 Choirs)と言われるレストランである.エレバンの町の中心から車で約10分ほどで行ける丘の中腹にある。ジェノサイドの記念碑から近いところにある。山小屋風の屋外の建物に4人から10人ほどで会食できるようになっている。アルメニア人でも金持ちの層が使用するところらしい。こちらの人は、東南アジアの人たちと異なり外食することは少ないようである。メニューは市内のレストランと変わらず肉や野菜の串焼き、野菜のサラダ、ナス、トマトとピーマンを焼いたものもある。勿論ビール、ワイン、ウオッカ、なんでもある。ここのレストランでは、裕福な層の誕生日のパーティや結婚式のパーティにも良く使われるようである。町の中が35℃を超える気温の日でもここでは、実に涼しく快適である。夜間にはバンド演奏もされる。料理には薄く焼いたパンと普通のパンが必ず出される。食が細い日本人には、すべてを食べきれない。3割くらい残すことになりそうである。アルメニア人の食事はゆっくり時間をかけてとる。アルメニアの食事のシステムとボリューム(量)は早く食べる習慣の日本人には向かないもしれない。
自動車は速く走る機械
 ドライバーの運転マナーは、良いとはいえない。自動車は速く走るものという認識が強く、「自動車を持つメリットはスピードを出せること」「自動車はスピードが出せるもの」と感覚である。車中心の社会で信号無視も多い。ただし、首都の中心部では信号は守られている。歩行者は、信号が青でも車の来ないことを確かめて横断しなければならない。
 「日本も昔はこのような姿であったのだろうか」と考えさせられる。
エレバン市内の観光コース
 エレバン市内から歴史的及び文化的な史跡の観光バスでのコースも設定されているがまだまだそのシステムは不十分である。
 5月1日から10月15日までの気候の良い期間に限られる。
 5時間の短いコースから丸1日9時間のコースまでいくつかある。費用もUS$11からUS$22まである。
エレバン市内で最も有名なエチミアジン聖堂を中心とするコースは、5時間、US$12である。アルメニアで最も大きな湖セバン湖までは8時間コースになっており、US$18である。(12歳以下の子供は半額)
 コースは、毎日同じようにあるのではなく、1日に1コースである。1週間かけて7つのコースがあり、火曜日にはセバン湖コース、日曜日にはミサの受けられるエチミアジン聖堂といったようにある。1週間で全7コースが終了する。出発は、エレブニホテルから毎日10時。
2006年7月14日
加藤文男
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