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社長さんへの手紙

忙しそうに飛び回らないでください

 社長さんは、このたびは、良い製品を開発されました。省エネの時代にふさわしいすばらしい商品と思います。うわさを聞いた色々な企業から、引き合いや問い合わせがたくさんあるそうですね。大変喜ばしいことです。しかし、それで有頂天にならないでください。

 まず実施すべきことは、きっちりした最終製品を完成させることです。試作品で結果が良かったといってもいくつか完成品を作ってみないと安定した品質は確認できないのです。

 技術者だけに資料の作成は大変きれいです。そのプレゼンテーションでなるほどとお客様が喜ばれるかもしれません。しかし、製品にはバラツキがあり、トラブルがつき物です。販売してもトラブルがあれば、その対応に追われてしまいます。現在の社員数では、一度トラブルが発生すると製造がストップしてしまいます。

 その前に顧客が必要としている適切な製品の規模を把握しましょう。そして、最初の販売は現在の工場から直ちに対応できる範囲で行いましょう。現在は、お客様からの要望があれば、社長さんは喜んで全国を飛び回っているそうですね。お客様の前で自慢の製品を説明するのは、大変やりがいがあり、楽しいと思います。しかし、順番が逆ですね。色々なお客様からの引き合いについては、どのような条件で使用するのか、製品の大きさ、容量はいかほどか聞き出しましょう。それが市場調査です。

 本当に価値のある商品であれば、お客さんは見にきてくれます。製品が完成する前に評判が良いからといって社長さん自ら飛び回ってはいけないのです。試作品があれば、これを見に来ていただきましょう。飛び回って説明することは、旅費もかかります。時間もバカになりません。遠方であればなおさらです。

 まず試作品の完成度を上げて、見に来ていただきましょう。お客様に見に来ていただければ1日に3〜4件のお客様に説明できます。製品も見ていただくこともできます。この効率の良さは、こちらから訪問するのとでは、比較になりません。お客様ですから丁寧に対応しなければなりません。決して傲慢な態度はいけません。説明に赴くことと見に来ていただくことを混同してはいけません。

 意をつくして、丁重に見に来ていただくようにお願いしましょう。そうすれば、製品の完成も早くなります。色々なご指摘があれば、すぐに対応することもできます。

 少ない社員で効率よく進めるためには工夫をしましょう。
2007.11.02.
中小企業診断士 加藤文男
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