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社長さんへの手紙

事務室での5Sを忘れていませんか

〜書類の個人管理をやめて、パソコンの中も整理整頓しましょう〜

 日本の工場だけでなく、東南アジアや中国の工場でも日本の5Sが実施されるようになりました。日本のメーカーの購買担当者や品質管理担当者が工場診断の際に誰もが5Sのことを要求するようになったからでしょう。現在では、日本の中小企業のほうが5Sを実践から取り残されているのではないかと思われるほどです。
 さて、日本では5Sはやっていて当たり前になっています。しかし、実際はその中に入ってしまうと「これで十分」と判断してしまう傾向にあるようです。また、5Sは工場でやるものと勝手に思い込んでしまう傾向もあります。5Sは事務所でも大切なのです。
 工場内では、機械設備や工具の整理整頓は非常にわかりやすいのです。不要な原材料も比較的わかりやすく5Sで対策するのは比較的簡単です。製品もきっちり並べることは指示もしやすいので良く徹底されます。しかし、事務の書類はファイルされてしまうと机の上に山積みされていない限りわかりにくくなってしまいます。事務所内をよく見るとロッカーの中や積み重ねられた書類の間に同じ会社の年度の古いカタログや昨年の展示会の案内などが残っていたりします。このような余分な書類があると必要な書類を必要なときに直ちに探し出すことができなくなってしまいます。
 少人数の事務所での書類は、個人管理は避けることです。すべて集中管理して誰でも必要なときに見ることができる状態にします。そのためには、共通の整理方法を決めてそれを徹底することです。ファイルする人によってばらばらでは誰でも簡単に必要な書類を探し出すことはできなくなります。また定期的に見直して古い不必要な書類を廃棄する作業も重要です。
 外出先から事務所に電話をかけ、必要な書類を探し出し、見てもらうことができればたいへん助かります。仕事の効率も上がります。社長さんが「このような細かいことまで指示しなくても」と思われるかもしれません。少人数の会社では、このような小さなことの積み重ねが効率よい仕事に結びつくのです。
 パソコンの中のデータや書類の整理も同じことです。データが少ないうちは混乱しませんが、多くなるとデータや書類をどのファイルにしまいこんだかわからなくなります。書類への名前の付け方を整理することで検索も可能になりますが、統一しておかないと混乱の原因となります。
 このように整理整頓は、組織の小さいうちに、人数の少ないうちに、書類の少ないうちに整理するルールを取り決めておくことです。人数が増え、組織が大きくなるに従い、そのルールを新人に指導徹底します。事務所の5Sも書類の整理も根気よく実行することが重要です。事務所内の5Sをもう一度見直してみましょう。
2006.8.13
中小企業診断士 加藤文男
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